矯正装置の種類・治療方法
幅広い選択肢の中から、患者さまのライフスタイルに合った装置をお選びいただけます。
- ワイヤー矯正:ベーシックなブラケット矯正
- ホワイトワイヤー矯正:目立たない白いワイヤー
- 裏側矯正:見えない舌側矯正
- 部分矯正:短期間で気になるところだけ整える
- インビザラインファースト:子どものためのマウスピース矯正
- T4K・マイオブレース:筋肉と舌を鍛えて正しい歯列に
- ムーシールド:子どもの受け口治療
- 床矯正:歯を並べるスペースを作る装置
ベーシックなワイヤー矯正
歯の表側に「ブラケット」という装置を取り付け、そこにワイヤーを通して少しずつ歯を動かしていく、最もスタンダードな治療方法です。
金属製のブラケットやワイヤーが”ギラギラして目立つ”という印象が強く、そのデメリットを避けるためにマウスピース矯正・裏側矯正等、様々な矯正装置が開発されてきましたが、コロナ禍でのマスク生活で口元を人に見られることが少なくなったためワイヤー矯正をお選びいただく患者さまが増えてまいりました。
不正咬合の一部はマウスピース矯正等で矯正治療を行うことが可能になりましたが、あらゆる不正咬合の歯列矯正に対応可能なのは、このベーシックなワイヤー矯正です。
当院の指示する通院間隔をお守り頂き、治療計画通りにワイヤー交換やブラケットの装着を行えば治療期間は短く、費用も順調な場合40〜60万円程(保定装置は別途)と他の治療方法と較べ安価なケースが多いです。
ホワイトワイヤー矯正(エステティックワイヤー)
「矯正治療はしたいけど、金属が目立っちゃうから嫌。」 と今まで矯正治療をためらっていた方へ。
ブラケットだけでなく、ワイヤーも白くすることができます。
白いきれいな矯正装置・ホワイトワイヤー
表側のワイヤーとブラケットによる矯正治療の場合、ご要望に応じて歯と同じ色の白いセラミックブラケットと白いワイヤー(エステティックワイヤー・ホワイトワイヤー)の組み合わせをお選びいただけます。歯に溶け込む自然な透明感のある装置です。従来よりも小さくなり、より審美性が高くなりました。
「矯正していると言われるまで気付かなかった!」と周囲の方に驚かれるほど、さりげなく治療をスタートできると好評です。
ご覧のように金属のブラケットやワイヤーとの違いは明らかで、至近距離で口元を凝視すればわかりますが、少し離れるとほとんどの方は白い装置に気付きません。
「ギラギラした矯正装置に抵抗がある」という方におすすめです。
今までセラミックブラケットに金属のワイヤーをお使いだった患者さまも、エステティックワイヤー(ホワイトワイヤー)に変更することが可能です。
ご遠慮なくお申し付け下さいませ。
裏側矯正
裏側矯正(舌側矯正)とは、従来は歯の表側につける装置を、歯の裏側につけることで矯正装置が見えないようにし、人に矯正していることを知られずに治療を進められる歯列矯正方法です。
特に女性に人気の治療法で、モデルの方や接客関係の方、仕事の契約上見える部分に矯正装置を付けることのできない方、矯正をしていることを他人に知られたくない方等が裏側矯正を選ばれています。
装置が見えないという特性を生かして、ウエディングや就職活動に向けて開始される方もいらっしゃいます。
当院の裏側矯正(舌側矯正)
当院で取り扱う裏側矯正は、「HARMONY(ハーモニー)」と呼ばれている、フランス人矯正医によって開発されたシステムです。
ブラケットに「セルフライゲーション」という構造が取り入れられています。このように、外側からは全く見えません。
裏側矯正のメリット・デメリット
◯ 矯正装置が外側から見えない
裏側矯正(舌側矯正)の最大のメリットは何と言っても、裏側にあることで見えにくいという、審美性と言えます。表に装置がない分、厚みが出ることもなく、人に気づかれずに治療を行えるので、気兼ねなく開始できます。
◯ 矯正装置に違和感が少ない
裏側矯正の違和感を改善するために、大きさを従来の半分程度にしています。
さらに矯正装置の構造が丸みを帯びているため、話しにくさや食べにくさが軽減されました。
✕ 矯正装置の装着まで少々お待たせします
採った歯型のデータを送り、装置とワイヤー一式が届くまでに1.5〜2ヶ月かかります。
就職活動や結婚式までに矯正治療を終わらせたいとお考えの方は、その製作期間も参考の上でご相談にいらしてください。
✕ 歯磨きが難しい
裏側矯正は装置が見えにくいためブラッシングに時間がかかります。歯科医院での定期的なクリーニングが必要です。
✕ 価格
表側矯正の装置より費用が高いです。
✕ 装置の脱離やワイヤーの破折が多い。
歯並びが悪くなっている原因の一つとなっている舌突出癖や咀嚼の癖により、装置の脱離やワイヤーの破折が起きる頻度が通常のワイヤー矯正と比較して多い傾向にあります。当院が使用しているハーモニーシステムは、患者さまごとのオーダーメイドで製作されるため、破折したワイヤーの再製作に二数がかかります。ブラケットも一度脱離すると再装着しても脱離を繰り返す傾向があり、再製作が必要になります。表側矯正よりも費用が高い理由の一つです。
✕ 違和感
慣れるまでは装置の違和感・発音のしにくさ・食べにくさを感じることがあります。
部分矯正
部分矯正・プチ矯正とはMTM(マイナー・トゥース・ムーブメント)といい、
- 全体的な治療は希望していないが気になる部分のみ治したい
- 歯を削ってかぶせる治療はやりたくないが、長期間に及ぶ矯正治療もやりたくない
- 高額な費用をかけたくない
というご希望の方におすすめする部分的な矯正治療です。
見た目を重視し、短期間でリーズナブルな価格にて部分的な箇所をきれいにいたします。
歯並びでお悩みの方は治療期間の希望やご予算等、ぜひご相談下さい。
部分矯正での治療が可能なケース
- 軽度の出っ歯
- 前歯の歯並びだけが悪い
- 以前、全体的な歯列矯正をしていたが、後戻りをしてきた
- 前歯2本がすきっ歯
- 軽度の凸凹がある
- 全体的な矯正治療をする時間がとれない方
部分矯正での治療が難しいケース
- 重度の凸凹 ガタガタの歯並び
- 重度の出っ歯
- 出ている八重歯
《気になる部分だけを短期間で安く治療したい》という患者さまの希望にはできる限りお応えしたいですが、明らかに部分矯正だけでは無謀だという場合もあります。
「一部分だけだから並べるのも簡単なのでは?」と思われるかもしれませんが、上下ガタガタの歯並びで上だけをきれいにすると、下の歯とうまく噛み合わなくなることもあります。
インビザライン(マウスピース)で部分矯正
取り外しが可能なマウスピース治療、インビザラインでも部分矯正が可能です。非常に薄くて透明なので相手に伝えない限り、装着しているのに気付かれることはほとんどありません。
インビザラインライト・インビザラインエクスプレス
インビザラインは一人ひとりの歯列に合わせて製作される薄くて透明なマウスピース型の矯正装置「アライナー」を装着し、5〜10日ごとに新しい装置に交換することで段階的に歯の矯正を行います。
《インビザラインライト》《インビザラインエクスプレス》は前歯の多少のずれやすきっ歯等、軽度の不正歯列や矯正治療後の後戻りの改善に適したマウスピース矯正です。
ブリッジを入れる際、歯の向きに問題があるため術前に整える場合等にも適しています。
短期間で終了できる軽度の歯列不正に限られる為、ご希望されても歯並びや噛み合わせの状態によっては適応にならない可能性がありますが奥歯を動かさず前歯のみリーズナブルに、治療していることを周囲に気付かれたくない方はぜひご相談下さい。
インビザラインファースト
これまでの子ども(小学生)の歯並び治療は床矯正やマイオブレースが主なものでしたが、「見えない・目立たないマウスピース矯正《インビザライン》での治療が可能になりました。
インビザライン・ファーストは「1期治療」と呼ばれる時期のマウスピース型の装置で、永久歯列期前に床矯正やワイヤーで行われていた治療のほとんど全てを行うことができます。
インビザラインを用いた小児矯正
成長過程にあるお子様のためのインビザライン矯正が2019年スタートしました。
「アライナー」と呼ばれるマウスピースを1週間ごとに交換し、少しずつ歯を動かしていきます。
透明で目立たず、装着していることがほとんどわからず、見た目によるコンプレックスがありません。
会話や食事、はみがきも普段通りに行えます。
軽度から重度まで、様々な歯並びの治療に対応が可能です。
装着時間は1日20時間以上と長いですが、お守りいただければ最長で約1年半の期間で治療が終了します。
3〜7日ごとに新しい装置に交換でき、部品が取れたり外れたり口腔内を傷つける心配がないため、緊急的な歯科医院への通院もほとんどありません。
インビザラインファーストのメリット
- 透明で目立たないため、矯正治療をしていることを他人に気付かれることはほとんどありません。
- 素材は柔らかいプラスチックなので、金属アレルギーの方でも安心です。
- インビザラインは薄くて滑らかな素材です。オーダーメイドで作成されるためフィット感があり、痛みに不安がある方でも安心です。
- 固定タイプの矯正装置の場合、取り外しが難しいことが難点です。その点、インビザラインは自分で簡単に取り外しができます。
- 外した状態で食事や歯磨きをすることができるので、お口の中の衛生状態を保てます。
- 2期治療がより短期間に、より簡単になります。
- 緊急対応が少ないため、予定外の通院を軽減できる可能性があります。
インビザラインの留意点
- 外科矯正が必要な場合等、歯並びの状態によってはインビザラインの治療が適さないケースがあります。インビザラインでの治療が難しい症状の場合は、他の矯正治療をお勧めします。
- 装着時間と装着ルールを守らないと歯が動かず、治療がうまく進みません。装着時間は基本的に「食べている時と歯みがきの時以外、1日20時間以上が必要です。
18ヶ月の治療期間で予定通り終了するためにはお子様本人のやる気とご家族の協力が必要です。 - アライナーをはめたままの飲食はお水以外できません。食事やおやつはもちろん、ジュースやお茶等、着色や温度による変形の恐れがあるため、当院では控えるようにしております。面倒に思うかもしれませんが必ずケースを持ち歩き、飲食の前にはアライナーを外してください。
インビザライン・ファーストの適応条件
- 6歳臼歯が全て生えていること
- 前歯(乳歯・永久歯問わず)のうち少なくとも2歯が2/3以上生えていること
- 少なくとも3/4顎に乳歯(C・D・E)または未萌出側の永久歯(3・4・5)が2歯以上あること
T4K・マイオブレース
歯列不正の原因である舌・口唇・頬等口腔周囲筋の不調和を改善し、改善したことにより歯並びを治していく治療器具です。オーストラリアの矯正医が開発した装置で「T4K」は「トレーナー・フォー・キッズ」の略です。
実は大人用の装置もあって「T4A(ティー・フォー・エー:トレーナーフォーアダルト)」と呼ばれていました。 最近「Myobrace(マイオブレース)」という呼び方でシステムが一新されました。
これが正式名称なのですが、日本では「ティーフォーケー」という名称の方がまだ認知度が高いです。
「口腔周囲筋の不調和」の代表的なものには、習慣的に口を開いてしまっている「口ぽかん」の状態や、発音時や咀嚼・嚥下時に舌を突き出す等の「舌癖」と呼ばれているものがあります。
口腔周囲筋を「筋トレ」しその結果、歯並びが治っていきます。
就寝時以外に1〜2時間と就寝時に毎日・毎晩装着します。
ムーシールド
ムーシールドは子どもの受け口(反対咬合)を治療する、マウスピース型の矯正装置です。(受け口は下の前歯が上の前歯よりも前に出ている噛み合わせです。)
子供の受け口は舌の位置や動きによって起こることがあります。ムーシールドを装着することにより、舌の位置が正しい場所に置かれ、歯に余分な力が加わらなくなるので受け口が改善してきます。
下の歯が上の歯より前に出ている受け口(反対咬合)は3歳児検診で4~5%の割合で見つかるそうですが、「しばらく様子を見ましょう」と言われ、放置するケースが少なくありません。
しかし自然に治る率は1割に満たないのが現状です。
従来3~4歳児の反対咬合は「チンキャップ」と呼ばれる帽子型の装置で下顎の成長を抑制する方法しかなく、しかも噛み合わせが改善する訳ではありませんでした。
遺伝も原因していますが、主には舌と口唇の筋機能のアンバランスが受け口を造ります。
この装置は口唇と舌の筋機能の不調和を改善し、それにより受け口の特徴である、上顎の劣成長を改善し、受け口を治すといった積極的な治療が早期に可能になります。装着するのは基本的に就寝時と日中1、2時間のみです。
床矯正
床矯正(しょうきょうせい)とは着脱可能な装置で、歯を抜かずに顎を拡げて歯を並べる保存の立場に基づいた矯正治療です。
取り外し可能な矯正装置をお口にはめて歯を動かし、顎を拡大して歯並びや噛み合わせを綺麗に整えていく、子どもの歯にやさしい矯正治療です。
歯を抜かずに矯正治療
下の写真が床矯正の装置です。
ピンク色の部分は床(しょう)と呼ばれる部分で、レジンという、プラスチック系の材料でできています。床矯正の名前の由来です。中心にある金属部分が、顎を拡げるためのスクリューです。
装置は1日14時間、装着する必要があります
この治療で使う装置は取りはずしが簡単にできることがメリットです。
学校の授業中も音楽や国語、英語の発音等に問題があれば必要に応じてはずすことができます。
また食事中、病気の時は装置ははずします。
ただし、はずす時間があまりにも長いと治療の効果は半減し、期間も長びいてしまいます。
矯正治療中のお口の中は歯垢(バイオフィルムプラークともいいます)が溜まりやすく、虫歯や歯周病になりやすい環境となります。当院の矯正治療は、単に歯並びを治すだけのものではありません。噛み合わせ等のチェックと併せて、検診時には歯科衛生士による歯のクリーニングと定期的なフッ素塗布、ご自宅でのセルフケアについての説明を実施し、虫歯予防のサポートにも力を入れております。