【矯正治療のリアル】ワイヤー?マウスピース??あなたに最適な矯正方法は?

2026年01月15日(木)

コラム

浦安市の歯医者 矯正歯科 あらかわ歯科医院 ワイヤー矯正 マウスピース矯正
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はじめに|矯正の種類が増えて“選べない人”が急増している理由

「歯列矯正」と聞いて、どのようなイメージをお持ちですか?

  • ワイヤーで歯をギュッと締めるあれでしょ?
  • 時間がかかる治療なんじゃない?
  • 歯並びがきれいになっていく反面、痛みが出る。
  • 食べたいものが食べられない。

これらはどちらかというとネガティブなイメージですね。

一方で「歯並びが綺麗になったらどんな生活になるのかな?」とポジティブでワクワクするようなイメージを持つ人が多いのも事実です。

現代の矯正治療は、驚くほど選択肢が広がっています。ここで述べる「選択肢」は様々な意味合いを持ちます。例えば患者さま目線の選択肢、患者さま目線でも特に生活習慣における選択肢、矯正医による選択肢などなどです。

装置の種類も、透明のマウスピース矯正・子どもの成長を利用した小児矯正・裏側矯正など、従来のワイヤー矯正一択ではなくなりました。

選べるのは嬉しいことなのですが、一方で「どれが自分に合うのかわからない」という新しい悩みを生む結果にもなっています。

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さらに、SNSやYouTubeには矯正体験談が溢れていますが、そのほとんどは“個人のケース”であり、あなたに適しているとは限りません。同じ「出っ歯」でも原因も骨格も年齢も生活も違うため、最適な治療法は人によってまったく変わります。

だからこそ、自分の状態に合わせて、メリットだけでなくデメリットもしっかり理解して選ぶことが大切です。

このコラムでは、ワイヤー矯正・マウスピース矯正・小児矯正 の3種類をわかりやすく比較しながら、あなたに合った矯正の選び方まで丁寧に解説します。どれにしようか迷っている人でも読み終わる頃には「これが自分に合ってるかも」という道筋が自然と見えてくるはずです。
まずは、基本の仕組みから順番に見ていきましょう。

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矯正を始める前に知るべき基礎知識

(1)矯正治療とは何をするもの? 

歯列矯正とは“歯を動かす治療”ですが、ただ並べるだけではありません。

歯が動く仕組みは、実はとてもシンプルです。歯に力をかけると、その方向の骨が少しずつ溶け、反対側に新しい骨ができていく。この入れ替わりの積み重ねで歯が動きます。

つまり、矯正とは「歯と骨のリフォーム工事」のようなものなのです。

矯正治療で起こる痛みはリフォーム工事開始時、つまり装置を装着して歯を動かし始める時に出ることがあります。

そして矯正は「見た目のためだけ」と誤解されがちですが、実は機能面への影響がかなり大きい治療です。噛む力、顎の動き、発音、虫歯・歯周病のリスクなど、健康に直結しています。歯並びが整うと笑顔が変わるだけでなく、将来のトラブル予防にも役立つため、多くの人が投資する価値を感じているのです。

(2)歯並びが悪いと起こるトラブル(健康・見た目・メンタル面)

歯並びが悪いことで起こる問題は、見た目のコンプレックスだけではありません。

実は、噛み合わせがズレると左右の顎や筋肉がアンバランスになり、偏頭痛・肩こり・顎関節症につながることもあります。

また、ガタついた歯は磨き残しが増えやすく、虫歯や歯周病のリスクが跳ね上がります。さらに奥歯のかみ合わせが崩れると、全身の姿勢にまで影響することもあるのです。

メンタル面への影響も軽くありません。大人の矯正希望者の多くは「笑った時に口元を隠してしまう」「自信を持って話せない」といった悩みを抱えています。だからこそ矯正は“見た目を整える美容”ではなく、“生活の質(QOL)を底上げする医療”と考えるとしっくりきます。

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ワイヤー矯正(ブラケット矯正)を徹底解説

(1)ワイヤー矯正の仕組みと種類(メタル・クリア・セルフライゲーション) 

ワイヤー矯正は、「矯正」と聞いて多くの人が思い浮かべる装置で、最も伝統的で確実な方法です。歯に「ブラケット」と呼ばれる装置を仮付けし、そこにワイヤーを通して力をかけることで、歯を計画的に動かします。仕組み自体はシンプルですが、細かな調整によって一人ひとりの骨格・歯の傾きに合わせた精密な治療が可能です。

種類も進化しており、金属のメタルブラケットは耐久性に優れ、費用も比較的抑えられます。見た目が気になる場合は、透明で目立ちにくいセラミックブラケットがあります。

また、近年人気のセルフライゲーションブラケットは摩擦が少なく、痛みや治療期間の短縮が期待できるタイプ。ワイヤー矯正は「強い力で一気に動かす」というイメージがありますが、実は歯にやさしい力で“確実に動かす”高度な治療です。

(2)メリット:対応力の高さ・仕上がりの精度

ワイヤー矯正最大のメリットは、どんな難症例にも対応できる汎用性の高さです。
出っ歯・受け口・ガタガタ・開咬・交叉咬合など、骨格的なズレを含むほとんどのケースに適応可能。特に「ねじれ」「歯の高さの差」「奥歯の細かな調整」はワイヤーにしかできない分野と言っても過言ではありません。

仕上がりの精度も非常に高く、細部まで整えたい人には最適な装置です。歯科医師がワイヤーをミリ単位で調整するため、理想の歯列に近づけやすいのです。「確実にきれいにしたい」「難症例をきれいに治したい」という人には最も信頼性の高い選択肢になります。

(3)デメリット:痛み・見た目・清掃性・食べる物の制限

 一方でデメリットも存在します。まずは見た目の問題は最大のデメリットで、歯の表面に器具がつくためマウスピース矯正に比べれば目立ちます。また、ワイヤー調整後の数日間は歯が浮くような「矯正痛」を感じることがあり、噛みにくい時期が数日続くこともあります。

さらに、ブラケットがあることで歯磨きがしにくく、磨き残しが増えるという清掃性の問題もあります。ただし、これは正しい磨き方や歯科医院でのクリーニングを併用することでカバー可能です。

食べる物の制限は必要になります。特に気を付ける必要があるのは「厚みと弾力のある食感」の食べ物で、具体的には厚さのあるハムや太いウィンナーソーセージ、キャラメルを硬くしたような食感の食べ物になります。そして

次に気を付けるべきなのが、「せんべい」のようなパリッと砕ける食感のものです。こちらも装置が壊れる原因になる可能性があります。

(4)装置の費用と治療期間 

当院の場合、装置の費用は消費税別で70万円~になります。治療期間はどのような歯並びを改善させるかのよってばらつきがありますが、概ね1年半から4年前後の場合も過去にはありました。

(5)どのような人に向いているのか

治療の難易度で向き不向きはありますが、それを除くと次の2点になります。

  • 自分で装置管理をするのが苦手。
  • 治療中の見た目より確実性を優先したい。
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マウスピース矯正(インビザライン等)のリアル

(1)透明で目立たない仕組み

マウスピース矯正は、薄い透明のアライナー(マウスピース)を着脱しながら歯を動かす矯正方法です。透明なので、装着していても周りからほとんど気づかれません。
「矯正をしていることを知られたくない」「職業的に目立つ装置が難しい」という人にとって大きなメリットになります。さらに、3Dデジタル技術によって治療前に歯の動きをシミュレーションできるため、治療のイメージがつきやすいのも特徴です。

(2)メリット:取り外せる・日常生活が楽 

マウスピース矯正の最大のメリットは、自分で取り外しができる自由さにあります。

食事中は外せるため「装置に食べ物が挟まる」というストレスがなく、普段どおりの食事が楽しめます。

歯磨きもしやすく、口腔内を清潔に保ちやすいことは大きな強みです。

見た目もほぼ自然で、写真や人前で話す機会が多い人でも気にせず続けられます。

また、ワイヤー矯正のように調整の日に痛みが強く出ることが少なく、その点はワイヤー矯正と比べて快適です。

スポーツや楽器演奏など「口に装置が当たると邪魔になる場面」でも影響が少ないため、学生や社会人にも人気があります。矯正中でも普段と変わらない生活を維持しやすい点は、マウスピースの大きな魅力です。

(3)デメリット:適応範囲・自己管理の難しさ 

歯並びの状態によりマウスピース矯正が禁忌なケースもあります。専門用語で「Ⅱ級2類」と呼ばれる歯並びで、抜歯による治療が必要な場合、マウスピースでの矯正治療は動きに副反応が起きてしまい禁忌とされています。抜歯をしない「非抜歯(ひばっし)」と呼ばれる方法であればマウスピース矯正は可能ですが、時間がかかります。

ご自身の歯並びがマウスピース矯正の適応範囲かどうかを見極めてもらう必要があります。最近はマウスピースで使用される素材の開発等で適応できる範囲は広がっているものの、やはり万能ではありません。

またマウスピース矯正は、1日20時間以上の装着時間が必須で、この装着時間を守れないと計画通りに歯は動きません。

「うっかり外したままにしがち」「長時間の飲食をすることが多い」など、外す機会が多い人には向かない場合もあります。

自由度が高い反面、治療の成果はきちんと自己管理ができるかどうかにかかっています。

(4)費用相場と治療期間 

費用はワイヤー矯正と同程度で60~100万円前後が相場と言われていますが、メーカーの費用コスト上昇により変わってきています。

治療期間は 1~2.5年が一般的といわれていますが、歯並びの状態により一概ではありません。軽度であれば半年~1年で終わることもあります。

(5)マウスピース矯正が適しているケース

  • 周りに気付かれず矯正したい
  • 食事や歯磨きのストレスを減らしたい
  • 自己管理に不安がない
  • 金属アレルギーがある
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よくある質問(Q&A)

Q1:ワイヤー矯正とマウスピース矯正、結局どちらが一番いいのですか?

A1:一番いい方法は「人によって違う」が正解です。
矯正治療に“万能な正解”はありません。歯並びの状態、骨格、年齢、生活習慣、そして「何を一番重視するか」によって最適解は変わります。
仕上がりの精度や難症例への対応力を重視するならワイヤー矯正、見た目や日常生活の快適さを重視するならマウスピース矯正が向いている傾向があります。
大切なのは、SNSや体験談で選ぶのではなく、自分の歯並びを専門的に診断してもらった上で選ぶことです。

Q2:痛みが一番不安です。どの矯正が一番痛くないですか?

A2:痛みの感じ方は個人差がありますが、傾向はあります。
一般的に、ワイヤー矯正は調整後2~3日ほど歯が浮くような痛みが出やすく、マウスピース矯正は比較的穏やかな痛みが出ることが多いです。
ただし、どちらも「ずっと痛い」わけではなく、歯が動き始めるタイミングで一時的に感じるものです。
最近の矯正治療は弱い力で効率よく動かす設計になっているため、昔のイメージほど強い痛みは出にくくなっています。

Q3:大人になってから矯正しても遅くないですか?

A3:まったく遅くありません。むしろ大人矯正は年々増えています。
歯は年齢に関係なく動きます。実際、30代・40代・50代で矯正を始める方も珍しくありません。
大人矯正のメリットは、「自分の意志で治療を選べる」「ゴールを理解して進められる」点です。
ただし、歯周病などのリスク評価は重要になるため、事前の検査と管理がより大切になります。

Q4:矯正中に虫歯や歯周病になりやすいって本当ですか?

A4:装置そのものより“ケアの仕方”が重要です。
確かにワイヤー矯正は磨きにくく、マウスピース矯正は装着時間管理が必要です。
しかし、正しいブラッシング指導と定期的なプロフェッショナルケアを受けていれば、リスクは十分にコントロールできます。
むしろ、歯並びが整った後は清掃性が向上し、長期的には虫歯・歯周病リスクが下がるというメリットがあります。

Q5:途中で矯正をやめたくなったらどうなりますか?

A5:途中終了はおすすめできません。
矯正治療は「歯を動かす期間」と「安定させる期間(保定)」がセットです。
中途半端に終えると、歯が元の位置に戻ったり、噛み合わせが不安定になったりする可能性があります。
だからこそ、治療を始める前に「自分が最後まで続けられる方法かどうか」をしっかり考えることが重要です。

Q6:費用が高いですが、本当に価値はありますか?

A6:短期ではなく“将来への投資”として考えると価値が見えてきます。
矯正は確かに高額な治療ですが、見た目の改善だけでなく、
・噛み合わせの改善
・歯の寿命の延長
・将来の治療費リスクの軽減
・自信やQOLの向上
といった長期的メリットがあります。
「歯は一生使うもの」と考えると、価値を感じる人が多いのも事実です。

Q7:矯正方法は途中で変更できますか?

A7:ケースによっては可能ですが、事前計画がとても重要です。
たとえば、途中からワイヤー矯正に切り替えたり、仕上げだけマウスピースを使うケースもあります。
ただし、最初からそれを想定した治療計画でないと、追加費用や期間延長が発生することもあります。
最初のカウンセリングで「将来的な選択肢」まで含めて相談しておくと安心です。

Q8:迷っている段階で、まず何をすればいいですか?

A8:正確な診断を受けることが第一歩です。
ネットやSNSで情報を集めるのは悪いことではありませんが、最終判断は必ず専門家の診断が必要です。
レントゲン、口腔内スキャン、噛み合わせの分析を行った上で、
「あなたには何ができて、何ができないのか」
「それぞれのメリット・デメリット」
をきちんと説明してもらいましょう。

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まとめ

矯正治療は「流行で選ぶもの」でも「安さだけで選ぶもの」でもありません。
自分の歯並び、生活、価値観に合った方法を知り、納得して選ぶことが成功のカギです。
このコラムが、あなたにとって「迷いを整理する地図」になれば幸いです。