【歯が痛いのに虫歯じゃない?】歯ぎしり·食いしばりが原因の痛みとその対策

2025年04月14日(月)

コラム

浦安市の歯医者 矯正歯科 あらかわ歯科医院

以前にも「歯ぎしり・食いしばり」についてお話ししましたが、再度【歯ぎしり・食いしばりが原因の痛みとその対策】について書きたいと思います。


1. 歯が痛むのに虫歯じゃない?その原因は

「歯が痛いけれど、歯医者に行ったら虫歯ではないと言われた!」と不思議に思ったことはありませんか?
その痛み、実は歯ぎしり・食いしばりが原因かもしれません。

浦安市の歯医者 矯正歯科 あらかわ歯科医院


2. 歯ぎしり・食いしばりとは?

  • 歯ぎしり(ブラキシズム)→睡眠中などに上下の歯をギリギリこすり合わせる行為
  • 食いしばり→強く噛みしめてしまう癖。睡眠中だけでなく日中の集中時に多い

どちらも自覚しにくく、習慣化しやすい無意識の動きです。


3. こんな症状がある方は要注意!

✅ 朝起きたら歯や顎がだるい
✅ 歯がしみる・鈍い痛みがある、かと思うといつの間にか痛みが無くなっている
✅ 詰め物やかぶせ物がよく取れる
✅ 慢性的な頭痛・肩こりがある
✅ 頬の内側に噛み跡がある

‼️これらは歯や顎への過剰な負担のサインです。


4. 歯ぎしり·食いしばりの原因とは

原因説明
ストレス心身の緊張により無意識に噛みしめている
噛み合わせのずれ歯が正しく噛み合わず力が偏る
睡眠の質の低下浅い眠りで筋肉が緊張状態に
日中の集中時の癖パソコンによる作業中・運転時等

ただし、これらはあくまでも「原因として考えられる」内容であり、きちんと証明されているものではありません。
また、これらの原因を解決させても、歯ぎしり・食いしばりが治まるかどうかは定かではありません。

原因として挙げた4項目について順に説明していきます。

ストレス

「心身の緊張が無意識の噛み締めを招く」可能性はあります。但し心身の緊張を取り除けたとしても、それで歯ぎしり·食いしばりが治まるとは言い切れません。

噛み合わせのずれ

噛み合わせのずれにより、噛んだ時や食事時に力が偏る可能性は十分に考えられます。但し、それらを治療するのは容易ではありません。噛み合わせのずれは歯並びや骨格的な問題だけではなく、咀嚼筋の状態や、全身の姿勢も原因として考えられるため、単に上下の歯が噛み合うようにすれば歯ぎしり·食いしばりが治まるかというと、決してそのようなことはありません。

睡眠の質の低下

眠りが浅いことで睡眠の質が低下し、筋肉が緊張状態になり歯ぎしり・食いしばりの原因になる可能性はあるかと思います。ただし、睡眠の質を向上させ、眠りが深くなることで歯ぎしり・食いしばりが治まるかはわかりません。

日中の集中時の癖

パソコン作業中や運転時など、何かに集中している時に食いしばりの可能性はあるかと思います。これは、自身で気をつけることで改善が可能です


5. 放置するとどうなる?リスク を解説


放っておくと、次のような問題が出てきます

  • 歯が欠けたり、ひびが入ったり、破折の場合もある
  • 詰め物やかぶせ物が割れる、あるいは脱落しやすくなる
  • 顎関節症のリスク上昇
  • 顔のゆがみ・エラの張りにつながることも

「何もしてないのに歯が欠けた!」なんていうことも…。

歯が欠けたり、ひびが入ったりする

この場合、ほとんど全てが抜歯になる可能性が高いです。

詰め物・かぶせ物が割れたり脱落しやすくなる

この場合、その部位の再治療が必要になりますが、再治療の際も噛み合わせの調整に時間がかかったり、しっくり行くまでに時間がかかります。

顎関節症のリスクが上昇する

顎関節症も一度発症すると、完治しにくい疾患です。

顔のゆがみ・エラの張りにつながることも

「顎関節症のリスク上昇」にも関連しますが、歯ぎしり・食いしばりに関係する咀嚼筋・表情筋がいわゆる「筋トレをした状態」になり、それにより顔が歪んでいるように見えたり、エラの張り《「咬筋(こうきん)と呼ばれる筋肉が筋トレされてしまっている状態》になります。


6. 今日からできる!歯ぎしり·食いしばりの5つの対策

① マウスピース(ナイトガード)の使用

歯ぎしり・食いしばりが治まることは難しいため、まずは「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースを使用することが、第1選択の対策となります。
歯科医院で保険診療により作成可能です。「アクリルレジン」と呼ばれる歯科で使用する樹脂で製作されています。
歯の「エナメル質」と呼ばれる外側の組織よりも軟らかいため、歯がすり減ることはありません。就寝中の摩耗を防止します。また、食いしばりによる特定部位への力を分散させることが可能で、痛みなどの症状を軽減できる可能性が高いです。留意点として、装着すること自体に違和感を感じ、寝付きにくいと訴える患者様も少数ではありますがおいでになります。

② 日中の意識づけ

就寝時以外に「食いしばってないか」をもう一人の自分が常に自身を監視しているかのようにチェックすることが大切です。これはナイトガードよりも先に、すぐにできる対策です。「食事時以外に歯は合わせない」が大原則です。

③ ストレス発散

専門的ではなく月並みですが、ストレス発散でリラックスできる習慣をつけるのも大切な対策の一つです。

④ 噛み合わせチェック

歯科医院来院時に歯科医による調整・矯正が必要な場合もあります。
ただし、やみくもに調整してもかえって悪化する場合もあり、安易な気持ちでの調整依頼は避ける必要があります。
矯正治療による歯ぎしり・食いしばりの改善も、過度な期待は禁物で《治ってくれならなぁ》位の気持ちで臨むことが必要です。

⑤ 睡眠の質を改善

こちらも専門的ではなく月並みですが、就寝前のスマホ断ち、快適な寝具環境が効果を発揮してくれる場合もあります。


7. まとめ:歯を守るには“意識”と“予防”がカギ

歯ぎしり・食いしばりは、目に見えないけれど確実に歯を蝕む習慣です。

歯の痛みが続くときは、ぜひ一度歯科医院で相談してみましょう。
そして歯医者で指摘された場合、まずは「自分もしてるかも」と素直に耳を傾け、気付くことが第一歩になります。

大切な歯を守るために、このブログを参考に今できることから始めてみてくださいね。