フェイスボウ・トランスファーで精度の高い審美治療
2023年09月27日(水)
コラム
今回は「フェイスボウ・トランスファー」のお話です。
今回は「フェイスボウ・トランスファー」についてお話しします
当院では、オールセラミックやハイブリッドセラミック等による審美治療で、補綴物(ほてつぶつ)と呼ばれるかぶせ物を製作する際、型取りと同時に「フェイスボウ・トランスファー(face-bow transfer)」という処置を行います。
「フェイスボウ・トランスファー」の工程を行うことにより、製作された被せ物を装着する際、咬合調整がほとんど必要のない状態で被せ物を装着することが可能になります(咬合調整が全く必要ない状態で装着できる場合もありますが、一方で歯ぎしりや食いしばりがある患者さまの場合、咬合調整に時間を要する場合もあります)。
「フェイスボウ・トランスファー」とは?
フェイスボウ・トランスファー(face-bow transfer)とは
「フェイスボウ(face-bow)」は「顔弓(がんきゅう)」と日本語で呼ばれます。
「トランスファー(transfer)」は「移す」「移行する」「転送する」という意味があるので、直訳すると「顔弓を移す」となります。
顔弓とは、実は器具のことです。
これが当院で使用している「フェイスボウ(顔弓)」です。
ドイツKaVo社製の「アルクス(ARCUS)フェイスボウ」という器具です。
わかりやすく説明すると、フェイスボー・トランスファーとは
『上下の顎の位置と噛み合わせを3次元的に咬合器上に再現する』作業のことを言います。
計測方法
フェイスボウは、耳孔(耳の穴)で固定します(赤丸印の部分)。
左側の眼窩下または鼻下のどちらかで器具を位置付け出来るピンが設置されており、位置付けします。
バイトフォーク(画像下)とジョイントピース(画像上)で上顎を位置付けします。
KaVo社製の「プロターevo.7」という咬合器に噛み合わせの状態を再現します。
当院での使用方法
冒頭でもご説明しましたが、当院ではオールセラミックやハイブリッドセラミックによる審美治療の際、「フェイスボウ・トランスファー」で上下の噛み合わせを3次元的に再現して製作し、できあがったかぶせ物をほとんど調整することなく装着できるようにしています。
セラミックが調整なしできれいに入った、と患者さまに喜ばれております。
実際の使用例は、また別のコラムでお知らせしたいと思います。
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