【症例紹介】ワイヤー矯正で乱杭歯(叢生)や八重歯を治療・20代矯正治療①
2023年06月18日(日)
コラム
今回はワイヤー矯正で乱杭歯(叢生)や八重歯を治療した20代矯正治療の紹介です。
ワイヤー矯正で乱ぐい歯や八重歯を治療・20代矯正治療
初診時の年齢が20歳10ヶ月の女性です。奥歯の虫歯が気になり来院されましたが、上下前歯の乱杭歯(叢生)や八重歯も気になっているとのことです。
顎のスペースが足りず歯並びが凸凹になっていたり、重なりあって生えていたりする状態です。
見た目が悪いだけでなく、歯ブラシが届きにくいため虫歯や歯周病のリスクが高いといわれています。
今回は虫歯治療が、いわば「第1主訴」で、視診で深い虫歯が複数認められるためレントゲン撮影も行いました。
上下前歯は叢生(そうせい)の状態です。
画像の矢印の箇所は虫歯です。
詰める治療で大丈夫な歯もありますが、神経を取ってかぶせる治療が必要な歯、視診及びレントゲン所見で保存不可能と判断できる歯もあります。
「多数歯う蝕」と専門的に呼ばれる状態です。
緑色矢印部位の歯牙は、虫歯の進行が顕著な状態で、治療しても残せない可能性のある歯です。
この段階で、患者さまご希望の治療方法を確認します。
虫歯による抜歯が必要な歯があることはご理解いただいており、虫歯も歯並びも綺麗にしていくことについて、こちらに全面的にお任せくださるとのことで同意をいただきましたので、矯正治療上も保存可能で絶対に残す必要のある歯牙から虫歯治療を開始する予定です。
虫歯の治療と併行して、矯正治療の分析を行いました。
分析上、上下とも前歯が出ている状態です。
右側は上下とも虫歯の進行が顕著な第1大臼歯、左下は第2大臼歯を抜歯、左上のみ第1小臼歯を抜歯して前歯の叢生改善のためのスペースを確保します。
以下、治療の内容です。
- 装置はワイヤー矯正を始めとする固定式装置。
- 左上は第1小臼歯を抜歯。
- 左下・右側上下は虫歯の進行が顕著な大臼歯を抜歯する。左下は第2大臼歯、右側は上下とも第1大臼歯。
- 虫歯の治療は矯正治療開始前に完了させる。
抜歯部位を除いた虫歯の治療と最初の装置を入れるのに4ヶ月かかりました。
通常の治療であればできるだけ先に抜歯するのですが、矯正治療の場合はできるだけ装置を入れた後に抜歯します。もちろん事前に抜くこともありますが、抜歯してから諸事情により来院が中断して、せっかくスペース確保のための抜歯をしたのに、そのスペースを有効活用できなかったり、患者さま自身が治療自体を中断してしまうことを防ぐためです。
抜歯部位を残した状態で装置を入れた状態です。
装置を入れて右上第1大臼歯、左上第1小臼歯、右下第1大臼歯、左下第2大臼歯を抜歯しました。
装置を入れて4ヶ月後の画像です。
装置を入れて9ヶ月経過したところで、右上に親知らずが頭を出して生えてきました。
さらに12ヶ月後には、下の左右に親知らずが出てきました。
ここまでの内容はいかがでしたか?
上記3ヶ所の親知らずが出てこないままであれば、この先の治療期間はそれほど長くはかからない状態でした。
20代までの矯正治療では治療途中で親知らずが出てくることは少なくありません。
この先、どのように親知らずを動かしたのかは、「ワイヤー矯正で乱杭歯(叢生)や八重歯を治療した20代女性の症例②」でご紹介します。
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