よくある質問(一般歯科)
Q1. 虫歯はどうしてできるのですか?
A. 虫歯を作る原因細菌(口の中の常在菌です)が飲食により残っている口の中の糖分を食べます。
食べると「酸」という物質を作ります。これが歯の表面にネバネバした「歯垢(しこう)」を作ります。「細菌が食事をしてその後の排泄物が歯垢」というイメージが近いかもしれません。歯垢の中には多くの虫歯を作る原因細菌が居ます。歯垢が増えると細菌も増えます。その歯垢がそのまま残っていると、歯の表面を溶かし(脱灰)、虫歯を作ります。
Q2. 毎日欠かさず歯磨きしているのに虫歯ができます。どうしてですか
A. 主な原因として、1.虫歯ができやすいところに歯ブラシが届いていない。2.飲食の習慣。3.唾液の性質。4.体質的なもの。の4つが考えられます。
Q3. 虫歯ができやすいところを教えて下さい。
A. 虫歯ができやすい場所(う蝕の好発部位)は、小窩裂溝(しょうかれっこう)と呼ばれる歯の溝、歯と歯の間(歯間部(しかんぶ))、歯と歯ぐきの境目(歯頚部(しけいぶ))の3ヶ所です。
Q4. 歯の治療はどうして1回で終わらないのですか?
A. 1本の歯だけを治療する場合、1回で終わる場合もあります。
歯と歯の間にかからない奥歯の溝、平滑面と呼ばれる平らな部位で浅い虫歯であれば1回の治療で完結します。
ただし、その状態の歯であっても2本以上ある場合、歯と歯の間に虫歯がある場合、歯の神経に達する深い虫歯がある場合は、治療が完結するまでに複数回の通院が必要です。以下は1ヶ所の虫歯の大まかな通院回数の目安です。
・奥歯の歯と歯の間に虫歯がある浅い虫歯の場合→2回
・歯の神経まで達する深い虫歯の場合→ 奥歯4~5回以上・前歯5~6回以上
Q5. 治療のための通院回数はどれくらいかかるのですか?
A. 虫歯治療の場合は詰め物の治療だと1回、型取りが必要な治療だと2回、根の治療が必要な場合だと最短で4回です。歯周病治療の場合、最短で2回です。
虫歯治療は1箇所につき、歯周病治療はお口の中全体での回数です。
Q6. 1度治療したのに再治療が必要だと言われました。どうしてですか?
A. 次のような原因や理由が単独あるいは複合的に起こっていることが考えられます。
・治療した部位や同じ歯の別の場所に、また虫歯ができてしまった。
・詰め物やかぶせものが欠けてしまっている、破損している。
・詰め物やかぶせ物を治療して年数が経過し、劣化している。
・かぶせ物が外れかかっている。詰め物やかぶせ物は永久的な物ではありません。
一般的に保険で入れた材料は保険外の材料と比較して早く劣化します。
全体をかぶせてあって、一見ご自身の歯がないように見えていても、必ずかぶせ物の境目や内部にはご自身の歯が存在します。
神経を取っている歯であれば虫歯が進行しても痛みはありませんし、自覚症状を起こす頃には残せないほど悪くなってしまうことも考えられます。
早めの再治療によりその歯を残すことができるかもしれません。
Q7. 「この治療は保険でできません」と言われました。どうしてですか?
A. 保険治療は、使用する材料等があらかじめ国により指定され、制限されている、最低限度の治療です。その制限を超えるとどのような内容でも保険外治療になります。「保険でできない」のニュアンスは説明する医院により違うかと思うので、分かりかねますが、保険治療は最低限度の治療であることは重要なポイントです。
Q8. 親知らずは、必ず抜かないといけないですか?
A. 「必ず」ではありません。抜かずに残した方が良いケースもあります。真っ直ぐに生えていて、反対側の歯と噛んでいる親知らずは、できるだけ積極的に残した方が良いです。
Q9. 親知らずを抜くと痛いですか?
A. 埋まっていない(埋伏していない)上あごの親知らずは、抜歯後に麻酔が覚めた直後は痛みがありますが、処方した鎮痛剤の服用で痛みは治り、翌日以降も痛みが続くことはほとんどありません(極々稀にあり)。
上あごの親知らずでも顎に埋まっているものと、下あごの親知らずは翌日以降も抜歯後に痛みと腫れが残るケースが大半です。
Q10. 歯ぎしりは治りますか?
A. 歯ぎしりが治ることはありません。歯ぎしりにより起こる歯の摩耗、詰め物や被せ物の破折・破損や脱落、歯の破折をマウスピースで予防するしか方法はありません。
Q11. 「歯の神経」を取ると、歯はどのような状態になるのでしょうか?
A. 「歯髄(しずい)」と呼ばれる「歯の神経」には、神経組織だけでなく、動脈・静脈・リンパ管の脈管系があり、身体から歯に栄養の供給を行っています。
「抜髄(ばつずい)」と呼ばれる歯の神経を取る処置によりこれらの脈管系も取ることになるので、歯に栄養の供給がなくなり「有髄歯(ゆうずいし)」「生活歯(せいかつし)」と呼ばれる歯の神経が残っている状態と比べて歯は脆くなってしまいます。具体的には欠ける、折れるリスクが神経が残っている歯と比較して高くなります。
Q12. 虫歯が深く「歯の神経」を取る治療が必要と言われました。「歯の神経」を取ると歯が弱くなると聞いたことがあり、どうしても取りたくありません。神経を取らないで治療をする方法はないのでしょうか?
A. 虫歯の深さや拡がり方がどれくらいかにより治療が変わってくるかと思います。そのような説明があったとしても、神経を取らなくても大丈夫な場合もあります。歯医者さんにより歯を削る器具の性能は異なるため、それによっても変わってきます。
また、大丈夫との判断で神経を残して処置をしても、何らかの自覚症状がすぐに生じる場合もあるかもしれません。自覚症状がないまま歯の神経が死んでしまう「失活」という状態を起こすこともあります。
歯の神経(歯髄)を取ることで歯髄組織にある脈管系も取ることになるので「弱くなる」ことは間違いないのですが、状態により取ることも止むを得ない場合はあります。
Q13. 神経を取った歯はどのように治療するのでしょうか?
A. 以下の順番で治療して行きます。
①神経を取る処置で、歯髄組織がなくなった空間(根管・こんかん)に最終的には「ガッタパーチャ」と呼ばれる材料を詰めます(根管充填・こんかんじゅうてん)。
②根の治療が終了した歯は、折れにくくするための補強処置を行います(支台築造・しだいちくぞう)。
③かぶせ物を製作するため歯を削って形を整えます(支台歯形成・しだいしけいせい)。
④削った歯を型取りします(印象彩得・いんしょうさいとく)。
⑤型に石膏を流して模型を製作します。できた模型を基にかぶせ物を製作します。
⑥できたかぶせ物を調整の上で装着します。
Q14. 5年前に入れたかぶせ物がぐらついている気がします。被せ物・詰め物は何年くらい保つのでしょうか?
A. 保険治療の制度で決められているかぶせ物の耐久年数は「2年」、詰め物は「6ヶ月」です。
飲食習慣・お手入れの頻度とその質・歯ぎしりや食いしばりの有無・歯医者で定期的に検診を受けているか等で何年保つのかが決まります。5年前に入れたまま来院されていない場合、ぐらついてくる可能性は十分考えられます。