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矯正治療後の「後戻り」と「後戻り防止装置」について

目次

矯正治療後の「後戻り」と「後戻り防止装置(保定装置)」

先生

今回は、矯正治療終了後に起こる「後戻り」「後戻り防止装置」についてのお話です。

矯正治療(歯並びを治す治療)は、マスクの着用が必須になっているコロナ禍で、密かに需要が伸びている治療分野であると言われています。この時期に矯正治療を開始した患者さまの多くは「口元が見えないうちに」「口元を見せなくても大丈夫なうちに」というモチベーションで続けられているかと思います。

矯正治療は部分的に歯を動かす「部分矯正」の場合を除き、数ヶ月で終わるということは皆無で、どんなに早くても1年以上はかかりますし、治療計画によっては治療が終わるまで数年間という長い年月を要します。

矯正治療が終わった後には「後戻り」の防止が必要

そして、どの段階で説明を受けるかは医院によって様々ですが、矯正治療が終わった後に、「後戻り防止装置」についての説明を受け、装着しているか、装着を続けている方がほぼ全員ではないでしょうか?

「頑張って歯並びが治って、『やっと終わる!』と思ったのに、まだ装置は入れ続けないといけないんだ」っとがっかりされた方や、長い年月での矯正治療で気持ちが燃え尽きてしまい、わかってはいるけれど装着を一時的に中断してしまったり、装着を止めてしまった方もおいでになるでしょう。

矯正治療を頑張って終わらせて、綺麗な歯並びを手に入れたのに、ある時、鏡で口の中を見たら「あれ?綺麗に並んでいたはずなのにガタついている!」という経験をお持ちの方はいらっしゃいますか?

実を言うと、意外に少なくないのではないかと考えています。
今回は、これらについて深掘りしていきたいと思います。

浦安市の歯医者・あらかわ歯科医院 矯正治療 後戻り防止装置

矯正治療の【後戻り防止装置】とは?

「後戻り防止装置」「保定装置(ほていそうち)」と専門的には呼ばれています。

一連の矯正治療で改善した歯並びが、再びガタガタにならないようきれいな状態でキープさせることを専門用語で「保定(ほてい)」と呼び、保定を目的として装着する装置なので「保定装置」というわけです。
「リテーナー(retainer)」と呼ぶこともあります。

余談ですが、「retain」は「保持」とか「留め置く」「温存する」などの意味がある英単語です。

「後戻り」はなぜ起こる?保定装置はなぜ必要?

矯正治療による歯の動き

矯正治療により歯並び改善のために歯が動く場合、歯の周囲組織に変化が起き、骨などの周囲組織が歯が動くための反応を起こします。
歯が動き終わり、動かさないよう固定させると周囲組織が動いた歯の位置に合わせて元の組織構造に戻っていきます。

一連の変化の状況をまとめると、次のようになります。

  1. 歯を動かす力をかける
    ⬇️
  2. 歯の周囲組織の構造に変化が起き歯が動く
    ⬇️
  3. 歯を動かし終わると周囲組織の構造が元に戻る

歯を動かす力をかけているのにも関わらず中々歯が動かない場合は、周囲組織の構造の変化に時間がかかっている可能性があります。

歯を動かし終わり周囲組織が元に戻る場合も、完全に元に戻っているかどうかがわかりません。

後戻り防止装置はいつまで装着する?

後戻り防止装置に関するよくある説明

後戻り防止装置の装着期間の目安として「矯正治療にかかった期間と同じだけ装着して下さい」とか「矯正治療にかかった期間の倍、装着して下さい」という説明を受けた方もおいでになるかと思います。

「後戻り防止装置はどれくらいの期間装着するのですか?」という患者さまからの質問での回答なのですが、忠実に説明のあった期間装着したのにも関わらず後戻りを起こした場合、周囲組織の構造が完全に戻っていない可能性も考えられます。

硬い顎の骨の中で、歯を動かす力がかかった時の周囲組織の構造変化や、歯が動き終わった時の周囲組織の構造変化も解明されているのですが、それらがどれくらいの期間それらの反応が起きるのかは解明されていません。

当然個人差もありますし、前歯と奥歯でもさがあります。それ以外で「もしかすると遺伝的な要因もあるのかな?」という疑念を抱くような歯の動きが長い期間で起きることもあります。全ては、はっきりと解明されていないのが現実です。

当院での後戻り防止装置の説明

以上のことから、当院では矯正治療を終え、後戻り防止装置へ移行する患者さまには次のように説明しています。

1日の装着時間は「就寝時を含めて、最低6時間以上を毎日必ず

「いつまで装着するのか?」の質問に対しては「ずっと(一生)装着する必要があります

については、1日2~3時間の装着ではでは明らかに短いです。
装着時間は、長ければ長いほど動かした歯に装置が接触しているので、後戻りは起こしにくいです。
かと言って、これまで矯正治療を頑張った患者さまに対して半日以上の装着を説明するのは、おそらく燃え尽きてしまい、装置を入れなくなってしまう可能性の方が高くなるかな、と考えております。
1日就寝時を含めて6時間以上であれば 無理なく続けられるかな、というところです。

については「えっ!?」と皆様、必ず聞き返されます。聞き返さなかった患者さまは一人もおいでになりません。それくらい衝撃があるかと思います。

長い期間を費やし、頑張って矯正治療により綺麗になった歯並びを、どれくらい維持させたいのか?
この問いに対して「1~2年だけでいいや」と思われる方は、一人もいらっしゃらないと思います。

「いつまで装着するのか?」の質問に対する正確な回答は、「綺麗になった歯並びを維持させたい期間」というところでしょうか。

装着を続けていても、もしかすると後戻りは起こってしまうかもしれません。しかしながら、装着を怠れば後戻りは必ず起きます。後戻りを起こし易い装置、起こし難い装置もあります。また装置が劣化した場合、入れ続けることを考えるならば、作り直しも必要になります。

当院でおすすめの後戻り防止装置

当院のおすすめ【ビベラリテーナー】

当院で一番おすすめなのは「ビベラリテーナー」です。
インビザラインで提供されているマウスピース型の装置で、iTeroによる口腔内スキャンでデータを採りオンラインで送信、7~10日で完成します。当院で提供している装置の中で、最も後戻りし難い装置です。

インビザラインで矯正治療をされた方や、インビザライン以外のマウスピース矯正をされた方でも製作することが可能です。

ブラケット装置によるワイヤー矯正をされた患者さまの場合、スキャンして装置が出来上がるまでの7~10日の間、歯を動かさないようにするための仮の装置製作が必要になります。その間にもしも歯が動いてしまった場合、せっかく作った装置を入れることができなくなります。

浦安市の歯医者・あらかわ歯科医院 矯正治療 後戻り防止装置

また、こちらの装置ですが、同じ形状の装置を3セットお渡しします。装置の劣化だけでなく、紛失したり変色した時のため予備としてお持ちいただくことが可能です。
現在は1セットでの注文もできるのですが、3セットをお渡しすることのメリットが大きいので、1セットのみではお渡ししておりません。

装置を長持ちさせるコツ

装置を丁寧に取扱うことは言うまでもありません。
むし歯治療・歯周病治療が必要になれば、装置の適合が不良になる可能性は否めないため、予防は必須です。
定期的な検診による来院で、仮に悪いところが見つかったとしても、早期発見・早期治療で最小限の治療で大丈夫な状態にすることも大切です。
定期的な検診により装置の劣化の具合も確認できます。

まとめ

  • 矯正治療終了後「後戻り」と呼ばれる現象は必ず起きる。
  • 「後戻り」を予防するための「後戻り防止装置」の製作と装着は必須事項。
  • 1日の装着時間は就寝時を含めて6時間以上を確保する。
  • 装着期間は、綺麗になった歯並びをいつまで維持させたいかによって決まる。
  • 装着を中断すれば、必ず「後戻り」は起きる。
  • 装着中の装置が劣化して装着出来なくなった場合、装置を新たに製作することが推奨。

以上、矯正治療後の【後戻り】と【後戻り防止装置】についてでした。


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